口コミ 2024/04/23
スリランカ南部にある紅茶の名産地デニヤヤから生まれた
人気の「アールグレイルフナ紅茶」生産を指導している
前編では有機栽培の支援を始められた理由についてお伺いました。
後編ではなぜこんなに美味しいアールグレイができたのか
その生産過程のこだわりについてお聞きします。
栽培方法を改善し
本当に美味しい茶葉を収穫できるようになったのですが
ルフナ茶は日本ではまだ流通量が少なくマイナーな紅茶です。
しかもルフナ茶独特の甘い香りは
淹れ方によっては草っぽく感じる方もいることがわかり
日本でも手軽に美味しいルフナ茶を飲んでいただくためには
工夫が必要だと感じました。
そこで、ルフナ茶の甘い香りを抑えてしまうのは
少しもったいないなと思いつつ
まずはルフナ茶の存在を知っていただくために
日本で一番メジャーなフレーバード・ティーである
アールグレイ紅茶として製品化することにしました。
アールグレイ紅茶というのは
紅茶にベルガモット(柑橘系の果物)の皮から抽出される
オイルを混ぜて香りを付けたフレーバード・ティーです。
一般的にアールグレイ紅茶を含むフレーバード・ティーには
ルフナ紅茶のような特徴のある紅茶ではなく
キャンディなど中高地でとれる紅茶が使われます。
ルフナ紅茶を使って
しかも「優しい風味になるように」という目標でしたので
製品化には紅茶輸出会社に協力をしていただいたのですが
これまでさまざまな紅茶を手がけてこられた
担当者のマリオさんにとっても初めての挑戦だったようです。
できるだけスリランカ産のものを使って
製品に仕上げたいというこだわりがあったので
まずはベルガモットがスリランカで入手できるのかどうかから探しました。
どうやらインドには生えているらしいという情報はつかんだのですが
スリランカ国内ではベルガモットは見つけられず
結局ヨーロッパの香料会社が作っている
天然ベルガモットオイルを使うことになりました。
紅茶の茶葉等級、量、オイルの種類と濃度の組み合わせで
マリオさんには何度も何度もサンプルを作ってもらい
一緒にテイスティングをしてもらいました。
最後の方は、オイルの濃度を2.25%にするか2.5%にするかという
細かい違いまで気になってしまう私にマリオさんが
「もはや心理的な違いで、自分では目隠しをしたら違いが区別できないよ」
と言いながらも、面倒くさがらずに付き合ってくれました。
アールグレイ紅茶はリーフとティーバッグの2種類があります。
他の紅茶産地の茶葉に比べて
ルフナ茶の紅茶加工工場では大きな茶葉を作っているというのもありますが
大きめの茶葉のほうがより優しく、まろやかな味を楽しめるので
リーフの茶葉はもちろんですが、ティーバッグに入れている茶葉も
一般的にティーバッグに入っている茶葉よりも大きめの茶葉を使っています。
パッケージの素材も一部外国からの輸入に頼らざるを得ませんでしたが
素材を成型する、デザインを印刷するなどは
すべてスリランカ国内で行っています。
パッケージのデザインは
いつもパルシックを応援してくださる日本のデザイナーの方に
クジャクをモチーフにしてもらいました。
デニヤヤ周辺の茶畑や田んぼではしばしば野生のクジャクが見られます。
雄のクジャクが羽を全開に広げている姿はとても美しいです。
ただし、このクジャクは本来森に住んでいたはずなのに
人間による森林伐採などが原因で畑に出てきているのです。
デニヤヤの有機紅茶プロジェクトでは
クジャクを含め森林に住む動植物にも優しい
周辺環境への負荷を抑えた農業の普及を目指していることから
クジャクをモチーフとして採用しています。
Par Marche(パルマルシェ)
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