基本情報 2024/05/14
アーユルヴェーダとは、世界保健機構(WHO)が認める世界最古の伝統医学のひとつで、スリランカには南インドから仏教と共に伝わったとされています。
スリランカには伝統医療省(通称:アーユルヴェーダ省)という正式な政府機関があり、専門の大学でアーユルヴェーダのドクター(国家資格)を育成するなど、国として知識や技術の伝承に力を入れているため、スリランカのアーユルヴェーダは古来のかたちに近いとも言われています。
また、スリランカにはアーユルヴェーダで使う良質なハーブやスパイスが豊富にあり、インドをはじめ世界各国のアーユルヴェーダ施設に輸出もしています。
アーユルヴェーダは、まずアーユルヴェーダ医師の診断からはじまります。診断では問診や脈拍などから個々のドーシャをみていきます。
ドーシャとは、個人の生まれ持った体質や性質で、「ヴァータ(風)」「ピッタ(火)」「カパ(水)」の3つのバランスによって判断します。
ドーシャは人によって異なり、ドーシャのオリジナルバランスがうまくとれている状態が、その人にとって一番生命力が強く本来の力(魅力)が発揮できる健康な状態とされます。
ただし、ドーシャは「不純なもの、増えやすいもの」とも訳されるように、環境や生活習慣などの影響により変化しやすく、オリジナルバランスを乱してしまうことがあります。そうなると体や精神に悪影響が及ぼされ、不健康な状態になってしまいます。
そこで、アーユルヴェーダの治療により乱れてしまったドーシャのバランスを元のオリジナルの状態に戻していくのです。
こんな風におでこにオイルを垂らしている写真をみたことはありませんか?
これはシロダーラといって脳のマッサージとも言われるアーユルヴェーダの治療のひとつ。
ハーブやスパイスから抽出した複数のオイルを個人のドーシャやその時の体調に合わせて調合し、ゆっくりと時間をかけて頭から浸透させていきます。
アーユルヴェーダにはシロダーラ以外にも、オイルマッサージやハーバルバス、食事療法などさまざまな治療方法があり、診断結果に基づいてドクターがメニューを組み立ててくれます。
アーユルヴェーダの治療は数週間にわたることも多く、長期休暇の取りやすいヨーロッパ人は1ヶ月ほど施設に滞在することもよくあるようですが、日本人だとなかなか難しいのが現状です。
観光客向けの体験として数時間〜やってくれるところもありますが、ドクターいわく最低でも2週間(1週目でデトックス、2週目で体内に栄養や必要な成分を取り入れていく治療)あると効果を実感しやすいそうです。
私の知人は転職を機に3ヶ月ほど休みをつくり、世界旅行をしていたのですが、途中の数週間スリランカでアーユルヴェーダを受けたそうです。
最初の数日は体がだるくなり何もする気が起きなかったそうですが(おそらくここがデトックス期間)、その後は徐々に神経が研ぎ澄まされていくような感覚になり、体調がよくなり体も軽くなったのだとか。うらやましい。
どこかのタイミングで時間をつくって、本格的なアーユルヴェーダ受けてみたいですね。