基本情報 2024/04/23
こんにちは!Chieです。
今から5000年前の紀元前3000年頃から、使われ始めたとされるスパイス。 同時期にインド大陸で生まれたアーユルヴェーダ医学でも、スパイスは薬として欠かせないものでした。
やがて、シルクロードを経てスパイスがヨーロッパに伝わると、王侯貴族の料理に調味料として使われる機会が増え、度重なる争いで東西交易が難しくなると、貴金属と同等の貴重な献上品となっていきました。
日本では、古くから生姜や山椒がスパイスとして重宝されていたそうで、江戸時代には薬味としてのスパイスが発展し、七味唐辛子など日本独自のスパイスが生まれました。
私自身、アーユルヴェーダを学び始めるまでは、スパイスといえば「辛い」「カレーかチャイに入ってるやつ」というイメージしかなかったので、スパイスの歴史やそれぞれに効能があることを知り、実際に使ってみて効果を実感できたときは、感動しました。
今回は、スリランカにあるアーユルヴェーダの老舗Siddhalepa(シッダレパ)のマーケティングマネージャーの方へのインタビューをもとに、アーユルヴェーダとスパイスの関係性や、自宅でできるスパイスを使った治療や豆知識などをご紹介していきます!
スパイスは古くから世界中で使われていると話しましたが、その定義はというと実は今もって国によって異なり、統一されていないのが現状のようです。日本ではスパイスの定義に関して、厚生労働省によるこのような記述があります。
香辛料とは、食品に特別な風味を与えることを目的とし、比較的少量使用される種々の植物の風味または芳香性の葉、茎、樹皮、根、根茎、花、蕾、種子、果実、又は果皮等を指す。香辛料は、スパイス及びハーブに大別される。(出典:厚生労働省食安発第1003004号)
つまり日本では、スパイスは香辛料という大きなくくりの中の一部とされているようですが、香辛料を英語に訳すと「Spice(スパイス)」となります。
一方、スリランカやインドのアーユルヴェーダにおいては、使い方(生で使う、つぶして使うなど)によって、スパイスとハーブの分類が変わってくるそうです。今回の記事では便宜上、スパイス、ハーブ、香辛料をすべてスパイスに統一して記載します。
アーユルヴェーダでよく使う代表的なスパイスをご紹介します。
ターメリック
【主な産地】インド
【味】ほのかな甘味と苦味
【期待される効果】抗菌作用、月経不順、美肌効果、肝機能増進
東南アジアなど南アジアで最もよく使われている、キング・オブ・スパイス。日本では沖縄のウコンが有名で、現地ではウッチンとも呼ばれています。
バリの伝統的なローカルスパに「ボレ」というものがあります。ターメリックとハーブと泥を混ぜたものを顔・体全体にたっぷり塗り、サウナに何回も入ると、毒素が抜け肌がつるつるになるというものです。ターメリックには着色効果があり、カレーの色はターメリックによるものです。塗っている間に嫌な予感はしましたが、案の定、スパ後は全身が黄色くなり数日色が落ちなかったことがあります。笑
コリアンダー
【主な産地】インド、中国、ヨーロッパ各国
【味】カメムシのような独特な香り。種子を乾燥させたものはほのかに柑橘のような香りがする。煮込むと深いコクが出る。
【期待される効果】解毒作用、抗ストレス、二日酔い改善、食欲促進
コリアンダーという名前の由来は、Koris(カメ虫)+Annon(アニスの実)=コリアンドルムだそうです。その由来の通り、カメムシのような香り表現されています。
タイ語ではパクチー、中国語では香菜(シャンツァイ)。栽培が容易なので世界各国で親しまれています。日本では、福岡県や静岡県で生産が盛んです。
種を乾燥させたコリアンダーシードやシードを粉末にパウダーは、カレーのスパイスをはじめ、料理にもよく使われます。コリアンダーパウダーはクセが少なく、パクチーが嫌いの私の友人でも食べることができました。
クミン
【主な産地】イラン、インド、スリランカ
【味】カレーを連想させる食欲のそそる香り。少しスパイシーさがあり漢方や針葉樹のような香り。フライパンなどで乾煎りしてから使うと香ばしさが増す。
【期待される効果】消化促進、食欲増進、整腸作用
中東の料理では欠かせないスパイスです。また、コリアンダーと並ぶ、カレーの代表的スパイスでもあります。
シナモン
【主な産地】スリランカ、南インド、ベトナム
【味】優しい甘さとスパイシーさが残る香り。バニラやクローブに少し似た香り。味は甘く少し辛みがある。
【期待される効果】リラックス効果、発汗作用、整腸作用
特に、スリランカ産のシナモンは甘く香り高いと評価されています。古代エジプトでは、スリランカ産のシナモンをミイラの防腐剤として使っていたという記録が残っているそうです。
体の芯からぽかぽかと温めてくれるシナモンは、温かい牛乳や豆乳にパウダーと砂糖をいれて沸かして飲むと安眠効果があり、寝れないときや寒い日におすすめです。
クローブ
【主な産地】インドネシア、ザンジバル、マダガスカル、スリランカ
【味】漢方胃腸薬のような強烈な甘辛い風味。煮込むとわずかに酸味も出る。
【期待される効果】口臭予防、抗菌作用、痛み止め、冷え性改善
見た目は茶色く小枝のように見えますが、花のつぼみです。
体を温める作用があり、ホットワインやチャイ、煮込み料理といった冬向けの料理によく使われます。また、臭いを抑える効果から肉料理に使われることもあります。
ジンジャー
【主な産地】インド、中国、ネパール
【味】生は辛味と酸味、ドライはほのかな辛味とときどき苦味を持つものがある。
【期待される効果】発汗作用、食欲増進、車酔いや二日酔いの予防
小さい頃、風邪のひきはじめに生姜湯をよく飲まされました。日本でも古くからアーユルヴェーダに近い考え方で使われてきたんだなと感じます。私は今でも風邪や目の疲れ、肩こり、冷え、を感じたときにハーブティーと混ぜて飲みます。
アーユルヴェーダの老舗シッダレパのマーケティングマネージャーであるウシャンさんは、世界各国でアーユルヴェーダに関するイベントやPRを行っていて、専門的な知識も豊富にお持ちです。
今回は、実際にスリランカ人が自宅でもよくやっている、アーユルヴェーダ医学に基づいたスパイスレシピを教えていただきました。 簡単かつ日本でも入手しやすいスパイスで、というこちらの要望通り、すぐにマネできそうな内容なので、皆さんもぜひ試してみてください。
(なお、新型コロナウイルスによるの外出自粛要請を受け、対面ではなくオンラインでインタビューを行いました。)
シナモンティー
・シナモンパウダー…小さじ1
・紅茶…1カップ
シナモンを紅茶に溶かして飲みます。 ダイエットや抵抗力を高めるのに効果的です。 シナモンは日本人にも馴染みのある香りなので飲みやすそうですね!
はちみつ生姜シロップ
・すりおろし生姜…小さじ1
・はちみつ…小さじ2(多くても美味しい)
・水…適量
生姜とはちみつを水に溶かして飲みます。毎朝飲むのがおすすめです。痰をきって喉をすっきりさせる効果があります。お湯で溶かすと、はちみつの効果(殺菌効果や保湿効果)が弱まるため、水に溶かすのがポイントです。
ニンニクと黒胡椒のスープ
・ニンニク…適量
・黒胡椒…適量
・お湯…適量
ニンニクと黒胡椒をつぶし、お湯に入れて飲みます。腹痛や生理痛に効果的です。
ただ、このままだと日本人には飲み慣れないので、いつもの野菜スープやコンソメスープにニンニクや黒胡椒を多めに使うのもおすすめです。お湯でもどすレトルトスープにも使えます。
コリアンダー湯
・コリアンダーシード…適量
・水…適量
小さい鍋にコリアンダーシードと水を入れて火にかけ、沸騰後に少し煮込んでから飲みます。解熱、鎮痛、利尿作用の効果があります。
カレーリーフ粥
・カレーリーフ…適量
・お粥…適量
お粥にカレーリーフを入れて食べます。 腹痛を抑える、消化を促進する効果があります。
他にも夏バテ予防やコレステロール値を抑える効果もあるそうなので、ビールが美味しい夏の季節にはもってこいですね!
ここではアーユルヴェーダにおけるスパイスについて書かれた人気記事をご紹介します。
アーユルヴェーダのドーシャ(体質)別で見た場合、適切なスパイスがあります。自分にあった適度な量やスパイスをとることでより毒素をためずに健康な体が作られます。
・アーユルヴェーダ料理によく使用するスパイス13種とその効果・効能について
アーユルヴェーダではその人に合った適切な量やスパイスを取ることや、6味【甘味・酸味・塩味・辛味・苦味・渋味】をバランス良く食べることが重要と考えられています。こちらの記事では6味について解説してあります。
10個の質問に答えるとドーシャ(体内エネルギー)チェックが行えます。ドーシャに合わせたスパイスも掲載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
・アーユルヴェーダのハーブカタログ。使い方と効果、よく使われているハーブを完全網羅!
アーユルヴェーダで欠かせないハーブ。アーユルヴェーダに関連するハーブの効能が詳しく書かれていて勉強になります。
・アーユルヴェーダスパイスで体の中から美しくなる!ビューティフルライフのススメ
アーユルヴェーダ講座や料理教室などの情報もあり。実際にスパイスを使った料理に挑戦したい方におすすめです。
東京都表参道と埼玉県飯能市にて本格的なアーユルヴェーダマッサージが施術できるお店の記事です。本格的に学びたい方は、資格取得情報なども掲載させているのでぜひ見てみて。
個人的に好きでよく飲むハーブティーの1つゾネントアのアーユルヴェーダのまとめ記事です。ゾネントアのハーブティーやスパイスはパッケージも可愛く使いやすいので、ギフトに喜ばれそう。